CA104NⅡSO/HS 亜硫酸ガス・硫化水素用吸収缶
特 長
1缶で、亜硫酸ガスと硫化水素の2種類のガスに対応できます。亜硫酸ガス 最大許容透過限度 5ppm
最大許容透過限度 吸収缶に試験ガス(亜硫酸ガス)含有空気を通した場合、吸気側における試験ガスの濃度が破過と判定されない最高濃度。 有効時間 80分(試験濃度0.03% 300ppm)
硫化水素 最大許容透過限度 10ppm
最大許容透過限度 吸収缶に試験ガス(硫化水素)含有空気を通した場合、吸気側における試験ガスの濃度が破過と判定されない最高濃度。 有効時間 400分(試験濃度0.02% 200ppm)
吸収缶の有効時間
吸収缶は使用限度を超えると全く除毒能力がなくなってしまいます。この有効時間を管理、把握することが防毒マスクを使用するうえで重要です。これは下記の方法で知ることができますが、あくまでも目安です。
破過曲線による算定方法
吸収缶の有効時間は環境中のガス濃度によって大きく左右されます。このガス濃度と有効時間の関係をグラフで表したのが「破過曲線図」です
見方
環境中のガス濃度を調べ、その濃度が曲線と交わるまでの時間が算定有効時間となります。たとえば亜硫酸ガス0.02%のとき、その使用時間は130分あることがわかります。使用時間がこの算定有効時間に達した時点で吸収缶を交換してください。
また、短時間でくりかえし使用する場合は、一定の濃度であれば吸収缶添付書の使用時間記録欄に、使用した時間を記録しておき通算使用時間となったら新しい吸収缶と交換してください。
ただし、吸収缶に添付の破過曲線は国家検定規格やJIS規格に規定された試験ガスによるものです。
ガスの種類によっては有効時間が異なることがありますので注意が必要です。また吸収缶の有効時間は肺活量、湿度、温度などによっても左右されます。破過曲線の値はあくまでも目安ですので、安全を考え余裕をもって交換する必要があります。
吸収缶の交換の目安
1.使用時間を正確に記録し、あらかじめ設定した時間に達する前に廃棄する。
現場のガス濃度(平均値)を測定し、破過曲線図から破過時間を求めた後、十分安全を考慮して使用時間を定め、その時間に達する前に交換します。もっとも沸点の低いガスを基準として、使用時間を定めておけば安全性はさらに高まります。
2.湿気または有毒物質の吸収による、吸収缶の質量増加を量って目安とする。(吸湿しても能力が減退しない吸収缶を除く)
吸収缶は、有毒ガスを吸収することによって、質量が増加しますので、この増量を吸収缶交換の目安とすることができます。
ただし、吸収缶の質量増加は、環境の湿度、ガスの種類、濃度などによっても異なります。
この方法を採用するには、作業環境のガス濃度、湿度など比較的安定している必要があります。
吸収缶の質量増加と吸収缶の交換期間の判定は、使用する吸収缶の種類、ガスの種類、湿度等の調査の上、お問い合わせください。
3.作業環境のガス濃度および使用可能時間から推測して、能力的に十分余裕のある吸収缶を使用し、しかも一回使用したら廃棄する。
一酸化炭素用、一酸化炭素、有機ガス用および青酸ガス用吸収缶は必ずこの方法で用いてください。
この方法は、経済的とはいえませんが、もっとも安全な方法であるため、保管の管理が簡単になるばかりでなく、使用頻度の少ないユーザー様に用いられている方法です。
4.使用中に臭気、刺激、味覚を感じたときを限度とする。
管理濃度より低い濃度で臭気を感じる有機ガスなどに対しては、臭気によって吸収缶の交換時期を判定することができます。
ただし、嗅覚は個人差があり、透過は徐々に増加しますので、人間の嗅覚が麻痺しやすいことを考慮すると、この方法だけに頼るのは危険です。
5.吸気抵抗が上昇し、息苦しくなったら廃棄する。
防じん機能つきの吸収缶の場合、煙、ヒューム、粉じんなどを捕集すると目詰まりによって息苦しく感じることがあります。
保管方法
外気と遮断し、乾燥した冷暗所に保管してください。吸収缶は1個ずつビニール袋で密封しており、製造年月より約2年間は性能低下はほとんどありませんが、2年を経過したものは使用を避けてください。また、袋に穴があいていたり破れていると空気中の水分やガスを吸着してしまい除毒能力が低下、もしくはなくなっている場合がありますので注意してください。
未開封の状態でも、缶に大きなへこみやサビ、その他異常が認められた場合は危険ですので破棄してください。